ウンカのリアルタイム飛来予測

 

ウンカ、いつ来るぅんか?

 


最新の予測

本日夕方(日本時間20時)の飛び立ちの移動


本日明け方(日本時間6時)の飛び立ちの移動
migration2.gif

注意:図の中の日時は世界標準時です。世界標準時に9時間足すと日本時間になります。


過去の予測結果

下のリンクは過去の予測結果へのリンクです。風の計算はBARByyyymmdd.pdf形式のファイルです。文字列 "yyyymmdd"は年月日を表します。海面気圧の結果はPMSLyyyymmdd.pdf形式のファイルです。また migration(10_)yyyymmdd.pdf migration2(21_)yyyymmdd.pdf はそれぞれ10時と21UTCに飛び立った移動予測です。ファイルmigration(2)_siten_yyyymmdd.pdf は飛び立ち域nからの移動です。飛び立ち域の位置はリンク"飛び立ち域"から得られます。

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2004年8

2004年9

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2004年11

2003年6
2003年7
飛び立ち域


目的と概要

研究の目的は2つあります。

第一は高い精度の飛来解析ができるようにウンカの長距離移動シミュレーションモデルを開発することです。これにより詳しい飛来の仕組みを解明します。

第2はウンカの長距離移動シミュレーションモデルとオンライン気象データを用いて飛来予測システムを開発することです。予測によって飛来の状況が詳しく分かるようになり、防除対策に生かされます。

この中で原研は、世界版緊急時環境線量情報予測システム WSPEEDI Worldwide version of System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)の粒子分散モデルGEARN(ゲルン)を改良し、ウンカの長距離移動シミュレーションモデル(概念図) を開発しました。

農研機構はリアルタイム飛来予測システムを開発し、また実際にウンカの捕獲調査や過去の飛来データの解析を通して、システム評価を行いました。

 

ウンカについて

セジロウンカやトビイロウンカは、主に6月から7月前半にかけて中国南部から東シナ海を越えて、おもに九州を中心とした西日本へ飛来してきます。毎年多数のウンカが飛来しています。ウンカは体調4mmのたいへん小さな昆虫ですので、自分自身は秒速1m程度でしか移動できませんが,中国から九州までの距離は1,000mを越えます。ウンカをこの長い距離運ぶのは梅雨時に東シナ海上で発達する南西風(下層ジェット)です。この風は秒速10m以上の速度で吹きますので、これに運ばれたウンカはおよそ1日から1日半程度で中国から九州に到着します。

ウンカは水田で成虫に羽化した後,1日のうちでも明け方と夕方の薄暗い時期だけに一斉に上空に飛び立つことが知られています。また気温が16℃以下になるとでは羽ばたきをやめることなども知られています。

飛来したウンカは田植え直後の水田に侵入し,産卵,増殖してイネを加害します。また茎に卵を産んで増えます。現在,一般的な水稲作では田植えと同時に農薬を使用し,ウンカの発生を予防的に防除しています。

 

システムの仕組み

 ここではどのようにウンカの飛来を予測するかを説明します(システムの概念図)。ウンカは風によって運ばれると考えられますから、風を予報することが必要です。まず気象庁が毎日午前9時現在の大気の状態を解析します。その気象データが農林水産研究計算センターのデータベースにオンラインで到着します。それから数値予報モデルMM5(天気予報をコンピュータで行う数値モデル)を用いて当日の午前9時の大気を初期値として3日間の予報を行い、風の状態を計算します。さらにその風を長距離移動シミュレーションモデルGEARNに入力して、ウンカの位置を計算します。

 モデルでは、ウンカは中国や台湾の水田地帯に設定された複数の飛び立ち域から、朝方と夕方に飛び立ちます。飛び立つウンカの数はそれぞれの飛び立ち域ごとに約2000匹です。その後風とおなじ速度で移動します。移動中は16℃より高い温度領域中を移動します。ウンカの位置から地上100mまでの大気中の相対的な密度を計算して、分布図にします。その結果がこのページに載せてあります。

 飛び立ち域は発生地帯での水田分布とライトトラップの分布をもとに設定してあります。これまで北緯25度以南が主要な飛来源であると考えられていました。これらの地域の他、もう少し北部の水田地帯にも飛び立ち域を設定しました。それから台湾にも北部と南部に設定しました。

計算では設定した飛び立ち域からウンカが必ず飛び立つと仮定して、その後の移動を計算しています。したがって計算結果でウンカが飛来しそうだと出ても、実際にはその飛び立ち域からは飛び立たず、日本へ飛来しないこともあり得ます。発生地帯でのウンカの発生状況に関する情報が得られれば、飛来予測にとっては大変役立ちます。

さらに、もし発生地帯でのウンカの密度が分かれば、飛来量の予測もできる可能性がありますが、現在のところこうした情報は得ることができません。

 

 

予測の精度

 2004年の評価結果はこちら. 的中率は84から96%でした。
 2003年シーズンの初飛来(612日)を予測できました。

また200367月の40日間の日別捕獲データを用いて評価したところ、的中率は74%でした。これは気象庁が発表した翌々日に九州地区に1mm以上の雨の降る予報の的中率75%20036月)と同程度でした。的中率は、ウンカの飛来を正しく予測できた日数/合計予測日数×100で計算しました。